誕生石の仲間が増えました!
目次
誕生石が新たに10種類
昨年末の12月20日に、誕生石が新たに10種追加になったのをご存知でしょうか?
なんと63年ぶりに改訂されたというものです。
何月にどんな宝石が新たに誕生石となったのか、ご紹介していきたいと思います。
誕生石はどんなふうに決まっているのか?
旧約聖書に記載されている祭司の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石という説や、新約聖書の黙示録のなかの神殿の土台に用いられた12種類の宝石という説があります。
また、18世紀頃のポーランドで12の月と宝石を結びつけて、それをお守りとして身につけるという習慣が始まってそこから広まったという説もある様です。
しかし、それぞれの月に当てられていた宝石は統一されたものではなく、まちまちだったためアメリカの鉱物学者が整理したものをアメリカ宝石商組合が広めました。
宝石組合はいくつかあり、それぞれ若干違いがあります。
世界各国でも国の特徴が盛り込まれた誕生石となっているのが面白いところです。
例えば、日本の誕生石には日本で産出される珊瑚や翡翠が入っていたりします。
しかも各宝石組合でバラバラなところもあったので、話し合いが行われて2021年12月20日に63年ぶりに10種類の宝石が増えたということです。
新しい誕生石の種類と意味
新たに追加された誕生石は10種類の宝石になります。
追加があった月と変化のない月があって、少し残念に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。ご自分の誕生月や大切な方の誕生月をぜひチェックしてみてくださいね。
最後には誕生石の一覧を載せてありますので、追加になったものと旧来から親しまれている石と合わせてご確認いただけます。
2月 クリソベリルキャッツアイ
3月 ブラッドストーン・アイオライト
4月 モルガナイト
6月 アレキサンドライト
7月 スフェーン
8月 スピネル
9月 クンツァイト
12月 タンザナイト・ジルコン
2月の新しい誕生石《クリソベリルキャッツアイ》
宝石言葉 驚嘆・守護・慈愛
和名【猫目石】です。
光を当てると浮かび出る一条の白い光をキャッツアイ効果(猫目効果)と呼び、このキャッツアイ効果を持ったクリソベリルをクリソベリルキャッツアイと言います。
クリソベリルは、緑や黄緑色、褐色などがあり、色の濃淡や透明度も様々ある宝石です。
クリソベリルキャッツアイの一条の光が第3の目を表しているように考えられ、真実を見抜く力を持つことによってあらゆる災いを避け身を守る力があるそうです。
3月の新しい誕生石《アイオライト》
宝石言葉 自己同一性・誠実・貞操
和名【菫青石】です。
青紫色と灰色を併せ持っていて、『ダイクロアイト “Dichroite”(二色性石)』という別名もあります。
実はアイオライトは9月の誕生石としている考え方もあります。
魅力的なアイオライトですから、3月の方も誕生石として身につけると良いことがあるかもしれませんね。
もう一つの3月の新しい誕生石《ブラッドストーン》
宝石言葉 勇気・献身・救済
ブラッドストーンはカルセドニーという石の仲間で、その名の通り濃い緑色に血の様な赤い色が点在しているのが特徴です。
この見た目から、血を浄化して生命力を高めてくれるとか、貧血の改善、子宝に恵まれるなど健康面のお守りと言われてきました。
このブラッドストーンには、有名な伝説がありまして、
イエスキリストが十字架にかけられた時、その足元に落ちていたカルセドニーの一種のジャスパーという石に、キリストの血飛沫が浸み込んで誕生した石がブラッドストーンだといわれています。
そのイエスキリストの尊い血が染みた石には、ネガティブなものを寄せ付けない守りの力が宿っていると信じられ、救済や献身といった石言葉につながっているのかもしれません。
4月の新しい誕生石 《モルガナイト》
宝石言葉 清純・愛情・優美
モルガナイトはエメラルドやアクアマリンと同じ、ベリル(緑柱石)という鉱物の仲間です。
結晶内にマンガンが含有されているものが、優しいピンクからオレンジ色の色合いとなり、モルガナイトと呼ばれます。
1911年に発見され、ティファニーの宝石店で宝石顧問だったクンツ博士によって名付けられました。
優しく、柔らかな印象のこの宝石は、母のような愛と癒しの波動によって傷ついた心を優しく包み込んで癒したり、穏やかで安定した精神状態を保つ手助けをしてくれて、女性らしい魅力を引き出すと言われています。
6月の新しい誕生石 アレキサンドライト
宝石言葉 情熱・安らぎ
アレキサンドライトの和名は《変彩金緑石(へんさいきんりょくせき)》と言います。彩が変わる金緑石という意味で、金緑石とは、クリソベリルという鉱物の一種です。
クリソベリルキャッツアイと同じ鉱物仲間になります。
アレキサンドライトは、1830年にウラル鉱山で発見された比較的新しい宝石ですが、その希少性と美しさから『宝石の王様』とか『皇帝の宝石』などと言われています。
アレキサンドライトの特徴は、なんといっても光源によってガラリと色が変わる「カラーチェンジ効果」でしょう。
このカラーチェンジ効果は、ガーネットやスピネル、トルマリンにもみられますが、『昼のエメラルド・夜のルビー』と表されるアレキサンドライトほど劇的で鮮やかなものはありません。
その珍しい性質と美しさからロシア皇帝に献上され、ちょうどその日に誕生日を迎えた皇太子アレクサンドル2世にちなんで名付けられたという事です。
7月の新しい誕生石 スフェーン
宝石言葉 純粋・永久不変
結晶の形が楔に似ていることから、和名は《楔石(くさびいし)》と言いますが、スフェーンの名前も、ギリシャ語の《くさび》という意味のある《スフェノス》が由来だと云われています。
カラーはライムグリーンがメインカラーで、レモンイエローやレッド、グレーなどもあります。
カットすると光の分散率がダイヤモンドよりも高く、鮮やかな黄緑色に虹色の輝きが重なってきらきらとまばゆい煌めきが美しい宝石です。
8月の新しい誕生石 スピネル
宝石言葉 目標達成・内面の充実
スピネルは赤やピンク、青、紫などさまざまなカラーがあります。
スピネルの原石は、和名では《尖晶石》という名がついているのですが、8面体の結晶構造になっていて尖った角を持っています。
このことからラテン語で“小さな棘”という意味の“spina”にちなんでスピネルと名付けられたそうです。
もともとルビーやサファイアと混同されていたため、『黒太子のルビー』のように歴史上の有名な宝石もルビーではなくスピネルだったことが判明したという例がいくつもあります。
9月の新しい誕生石 クンツァイト
宝石言葉 無償の愛・純粋・可憐
クンツァイトは1900年代初めにアメリカで発見された、ピンクから紫色が美しい宝石です。
スポデューメン(スポジュメン・リシア輝石)という鉱物の一種だと解明したのは、モルガナイトを名付けた鉱物学者のクンツ博士で、クンツ博士の名前からクンツァイトと名付けられたのだそうです。
発見されたカリフォルニアと優しい色合いをアイリスに喩えて『カリフォルニア・アイリス』とも呼ばれています。
12月の新しい誕生石 ジルコン
宝石言葉 生命力・成功
ジルコンという名を聞くとキュービックジルコニアを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、ジルコンは古い歴史がある宝石で、キュービックジルコニアとは全く異なる天然石です。
ジルコンは光沢、屈折率、分散が非常に高く、虹色に輝くファイアーが多く見られ、透明度の高いものだとダイヤモンドに匹敵します。
ジルコンの名前の由来は、古代ペルシャ語で「金」の「ザル( zar )」と「色」の「グン( gun )」の組み合わせとされていますが、実際には金色だけではなく、無色透明をはじめ、ブルー、グリーン、イエロー、レッド、ブラウンなど様々なカラーのジルコンがあります。
和名は、風信子(ヒヤシンス)石といいいますが、ローマの歴史家、大プリニウスは、ブルージルコンの色をヒヤシンスの花にたとえました。
12月の新しい誕生石 タンザナイト
宝石言葉 高貴・知性・希望・神秘
タンザナイトは1967年に発見された新しい宝石で、タンザニアのキリマンジャロ麓にあるメレラニ鉱脈でのみ採掘される大変希少な宝石です。
タンザニアに住むマサイ族の牧夫が偶然発見したと云われています。
最初は、その色合いからサファイアの鉱脈が発見されてのだと思われていましたが、ブルーゾイサイトという鉱物であることが判明しました。
かの有名なティファニー社によって、神秘的な深い青紫色を《タンザニアの夜空》に喩えてタンザナイトという名がついたそうです。
タンザナイトには多色性があり、見る角度によって青色やピンクがかった紫色など、複雑に変化する色合いが楽しめます。
誕生石の一覧表