5月の誕生石【エメラルド】
目次
5月の誕生石【エメラルド】
フレッシュで鮮やかな新緑を思わせるようなエメラルドのグリーン。
そのイメージにぴったりな5月の誕生石となっています。
誕生石とは?
誕生石とは、1月から12月までの各月にちなんだ天然石が当てはめられていて、自分の生まれ月の宝石を身につけるとご加護があったり、幸せが訪れるとされています。
お守りのようにご自身に合ったアクセサリーを選んだり、誕生石の入ったアクセサリーをプレゼントにされる方も多いのではないでしょうか?
エメラルドの意味
エメラルドは古い歴史を持つ宝石であり、世界4大宝石(ダイヤモンド・ルビー・サファイア・エメラルド)に数えられています。
大自然の息吹が感じられるようなこの宝石は、大地の精霊のパワーが宿っていると考えられ、世界各国で生命と再生、豊かさを象徴する神聖な石として扱われてきました。
憂鬱な気持ちを癒し、知性を高めたり、自然治癒力を高めてくれるとされ、精神と肉体の調和をもたらしてくれると云われています。
また、特にエメラルドの緑色が瞳を癒し、美しくしてくれるのだとか。
ギリシャやローマでは、愛の女神ヴィーナスが自然を司る神であることから、エメラルドと深い関係性があると考えられていました。
エメラルドを『ヴィーナスに捧げる石』と呼び、愛と美を象徴する石として“異性を魅了する力”を与えてくれると信じられていたのです。
ご自身で身につけるのはもちろん、プレゼントにも大変おすすめです。
歴史のエピソードにも事欠かず、クレオパトラが愛したことでも有名ですので、ご興味のある方は、後述のエメラルドの歴史もお読みいただければと思います。
エメラルドの語源
エメラルドはサンスクリット語の『スマラカタ(緑色の石)』だとされています。
ここからギリシャ語で『スマクラグドス(smaragdos)』・ラテン語で『スマラグダス(Smaragdus)』に変化し、さらに古代フランス語で『エスメラルド(Esmeraude)』となり、ペルシャ語を経て、現在の英語のエメラルド(Emerald)となったようです。
しかしながら、この頃は全てエメラルドだったわけではなく、現在のエピドートやアクチノライトも含まれていたようです。
これらを色合いの違いでランク分けされていました。
歴史
エメラルドはかなり古い歴史を持つ宝石の一つです。
紀元前4000年のバビロニアで愛と美の女神ヴィーナスに捧げる宝石として扱われ、ネックレスなどの装飾品も発見されています。
古代ギリシャの有名な哲学者アリストテレスの弟子のテオフラストスの書にも登場します。
ローマやポンペイの遺跡からも多く出土しているようですし、ローマ・ギリシャでは、バビロニア神話からのつながりで、愛と美の女神ヴィーナスに捧げられていました。
またエメラルドは世界各国で薬としても扱われていたようです。
ペルシャやアラビア、古代インドのサンスクリットでは解毒薬をはじめとした万能薬のように扱っていたそうです。
クレオパトラとエメラルド
エメラルドは、 古代エジプトでも産出されていて、かのクレオパトラも大変愛用していました。 女王クレオパトラは、エメラルドの宝飾品を毎日のように身につけ、さらにはエメラルドを粉末にしてアイシャドウとしてお化粧に使っていたのだそうです。
数々の浮き名を流し、絶世の美女と名高いクレオパトラは、 現代の最新の研究によれば、実は言い伝えられてきたほどの美人ではなく、鼻も低かったのではないか。などという大変失礼な分析もあるようですが、独特の化粧法と身に纏う香りで男性を虜にしていたのではないかと云われています。
確かに、クレオパトラといえばグリーンのアイシャドウというイメージを持たれる方も多いのでなないでしょうか? 実は、アイシャドウというのは古代エジプトが始まりではないかということです。 それは単なる美容目的ではなく、魔除けや虫除け、眼病予防などの目的もあったそうです。 あの独特のアイラインには呪術的な意味があり、古代エジプトの神ホルス神が目の病から守ってくれると信じられていたのだとか。 クレオパトラは、そこからさらにお化粧という意味でも進化させたのかもしれません。 とにかく様々なものからアイシャドウを作っていました。 目の周りに引いた紺色にはラピスラズリ・鮮やかな緑のマラカイト、そして大好きだったエメラルド、さらには、羽がキラキラと色々な色彩を放って光る、玉虫の羽も粉にしてオイルで練って用いていたそうです。 しかし、中には肌や目に良くないものもあったようで、印象的な化粧の陰で目は真っ赤だったのではないか、なんて憶測もされているのだとか。 美を追求するあまりそんな苦労もあったのかもしれないですね。 しかし、それでもクレオパトラが、あの人を釘付けにするアイシャドウを続けたのは、彼女にとって化粧で身を飾ることは、国を背負う女王として他国と渡り合い、戦う術でもあったからではないでしょうか。
話がそれましたが、クレオパトラのエメラルドへの愛はかなりのものであったらしく、自身の名前をつけたエメラルド鉱山も所有しているほどでした。 このクレオパトラ鉱山だけではなく、エジプトのエメラルドはヨーロッパへ供給していたようです。
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エメラルドの特徴
エメラルドは日本名は翠玉・緑玉です。
エメラルドグリーンのあの色合いは、サファイアと同じくクロムという元素が結晶の中に取り込まれることで発色しています。
この発色成分と結晶の発達の条件から、エメラルドは大変インクルージョンと傷が多いのが大きな特徴です。
また、衝撃に弱く傷もつきやすいので、角を落としたカット『エメラルドカット』という四角いカッティングが考案されたのだそうです。
《インクルージョンのないエメラルドを探すのは砂漠に落とした一本の張りを探すようなものだ》と云われるほどだそうです。
ちなみに、エメラルドはベリル(緑柱石)という石の仲間で、アクアマリンと親戚関係です。
アクアマリンはクロムを含まず、決勝が形成される環境が異なるために、クリアで大きな結晶が見られます。
インクルージョンはまるでものように見えるところから、“藻”という意味の「モッシー(mossy)」と呼ばれるようになりました。フランス語では“庭”を意味する「ジャルダン(jardin)と呼ぶそうですが、古代から大自然のパワーが宿ると感じた感覚が歴史を経ても共感できるのかもしれません。
クレオパトラも夢中にさせてしまうほど、パワフルな魅力を持つエメラルド。
ご自身やプレゼントに選んでみてはいかがでしょうか?