7月の誕生石【ルビー】
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7月の誕生石 ルビー
ルビーは燃えるような情熱的な赤が特徴の宝石です。
古来から『勝利の石」と呼ばれて、危険から守ってくれたり、生命力や勇気を高めて恋愛を成就させたり、ライバルに勝つ力を与えてくれると信じられてきました。
精神的にも肉体的にもエネルギーを高めて活性化してくれるとされていますが、この鮮やかな色を見ていると納得してしまいます。
とてもエネルギッシュな石なので、パワーが欲しい時に身につけるのがおすすめです。
中世ヨーロッパでは、右側に身につけると良いとされていたようですので、あやかってみても良いかもしれません。
また、良縁を繋いでくれるという意味から、プレゼントにも最適です。
誕生石とは?
誕生石とは、1月から12月までの各月にちなんだ天然石が当てはめられていて、自分の生まれ月の宝石を身につけるとご加護があったり、幸せが訪れるとされています。
お守りのようにご自身に合ったアクセサリーを選んだり、誕生石の入ったアクセサリーをプレゼントにされる方も多いのではないでしょうか?
ルビーの語源
ルビーは、ラテン語の赤を意味する、ルベウス(rubeusu)が語源だという説が有力です。
古代ギリシャでは、アンスラックス(燃える石炭)、
ローマでもカンブンクルス(小さな石炭・燃える石炭)と呼ばれていたそうです。
ルビーの情熱的な赤い色が炎のように見えたのでしょうか。
歴史
ルビーの歴史は古く、青銅器時代まで遡るのだそうです。
燃えるような情熱的なルビーの赤色は、
世界中で共通して、強い神秘的なパワーを持つと信じられてきました。
旧約聖書の中にも登場していて、
エルサレムの司祭のために織られる胸当てに飾る、12個の宝石の一つがルビーだとされています。
しかしながら、赤い石の確立した分類ができていなかったので、実際にはスピネルやガーネットであったことも多かったようです。
その旧約聖書に『知識の価値はルビーに勝る』などとの記述がある事から、
最も価値が高く、貴重な宝石として扱われていたという事が窺い知れます。
古代ギリシャやローマでは、ルビーには《炎と戦いの神マルスが宿る》勝利の石であり、右側に身につけると良いとして鎧の下に身につけていました。
また、古代インドでもルビーは『宝石の王』と呼ばれて珍重されいました。
ヒンドゥ教の聖典にもその名が登場するそうです。
そのインドでは、なんと不老長寿の秘薬として、ルビーを粉にして飲んでいたという記録が残っているのだとか。
さらに、より赤みの強いピジョンブラッド(鳩の血)と呼ばれる、
最上級ルビーの産地であるミャンマー(古代ビルマ)では、ルビーが無敵の力を与えて戦いに勝利をもたらすお守りとして、兵士が戦いに行く前に、皮膚に埋め込むなんてこともしていたそうです。
血を連想させるような情熱の赤から、エネルギーを高めてくれる石というイメージが各国に共通しているようですね。
情熱を高めてくれる事から、恋愛成就の石、良い縁をもたらしてくれる石としても、昔から身につけたり、大切な贈り物に選ばれていました。
黒太子のルビー
ルビーという名前で呼ばれ始めたのは、中世以降からでした。
しかも、赤い石は全てルビーと呼ばれていました。 18世紀ごろまでは、化学的な組成の分析など無かったため、 スピネルやガーネットなどの赤い石は全部まとめてルビーと呼んでいたようです。
有名な話には、 14世紀のイギリス王朝の皇太子エドワード(通称:黒太子)がカスティリア(現在のスペイン)のペドロ国王から贈られた140カラットの大きなルビーがあります。 兄弟によるクーデターによって、その座を追われてしまったペドロ王は、イギリスの黒太子に助けを求めました。 それに応じたエドワード黒太子の見事な働きにより、 王座に復権したペドロ王から贈られたのが、長い間、ルビーと信じられていた大きな宝石でした。 これは研磨のみでカットはされていません。
現在この宝石は、大英帝国王冠の真ん中に輝いていますが、実はルビーではなくスピネルである事がわかっています。
王女の戴冠式に用いられるので、目にする事ができるかもしれませんね。 |
ルビーの性質
ブルーサファイア | ファンシーカラーサファイア |
ルビーは、
鉱物の分類上では、コランダムという酸化アルミニウム (Al2O3) の結晶です。
ダイヤモンドに次いで硬い鉱物です。
純粋なコランダムは無色透明なのですが、
含まれる不純物によってさまざまな色合いへと変化します。
濃い青色が美しいサファイアとは兄弟のような間柄で、
不純物として含まれているのが、酸化クロムのものは赤く発色してルビーとなり、
鉄やチタンが含まれると青色のサファイアとなります。
ほんの微量の不純物によって、こんなに劇的に色が変わるなんて本当に面白いですよね。
しかし、ルビーは赤色と決まっているのですが、
実は、「青色が美しいサファイア」と書いておきながら何ですが、
サファイアは青いものとは限りません。
イエローやオレンジ、ホワイト、ピンクなどなど色々なカラーのサファイアがあり、
これらはファンシーカラーサファイアと呼ばれています。
つまり、赤はルビー!それ以外の色のものはサファイアと呼ぶ。ということのようです。
少しややこしいので、サファイアはまた別の記事にしたいと思います。
ちなみに、ルビーに含まれるクロムが1%よりも少なければ薄い赤、
1%だとピジョンブラッド(鳩の血)と呼ばれる最上級の赤いルビーに、
多すぎれば黒っぽい赤色『ビーフブラッド』になるそうです。
ちなみに、ピジョンブラッドには他にもミャンマー産のものと定められています。