【金木犀】 生花の香りバームの作り方
目次
生花の香りをそのままクリームに!自宅で簡単《冷浸法》
植物性のムスクとして注目されているアンブレットシードの水蒸気蒸留の企画をしてくださった、NOANOAの湯川さんから教えて頂いた、自家製アンフルラージュ法《花からバームに香りを移し取る方法》をご紹介したいと思います。
なんだか金木犀の香りがすると思って木を見てみると、小さな緑色の粒々がたくさん枝についていました。
でもまだ一輪も咲いていません。
まだ開いていない蕾からもこんなに香るんだなと思ってみていた翌日の朝、なんと一斉にオレンジ色の小さく可憐な四角花を一斉に咲かせていました。
まさに黄金のように輝いていました。
空気は金木犀の香りを含んで濃厚な香りを漂わせます。
春にはガーデニア(クチナシの花)からバームに香りを移し方法をご紹介しましたが、今回は、秋の香りの代表格キンモクセイの花で挑戦してみました。
夢の香りのアンフルラージュ法
アロマテラピーで教わる抽出方法にアンフルラージュ法(冷浸法)というのがあります。
現在でも、フランスのグラース地方で一部行われている大変大変手間のかかる方法で、牛脂と豚脂を混ぜたものに、生花を並べて香りを移し、花をどけてまた新しい花を並べる、という作業を延々と繰り返して、最後はアルコールに香り成分を溶かして精油を分離す流という気の遠くなる方法です。
バラや、ジャスミン、チュベローズといった繊細で、効果な花の香りに用いられてきました。
花から香る香りをそのまま移しとれるので、それはそれは美しい香りだそうです。
アロマの先生は、あまりにも良い香りすぎるので嗅がない方が良いなどといっていましたが・・・
そこまで、手間をかけなくても自宅で、花の香りをとれたら素敵だと思いませんか?
実は意外と簡単にできる方法を教えて頂いたのです。
自宅で簡単フラワーバームの作り方《キンモクセイ》
用意するもの
- 蓋のできるガラス容器
- シアバター(香りがなく硬いので、精製のものがおすすめです)
- なるべく酸化しにくい植物油少々(ホホバ油やマカデミアナッツオイルなど。こちらも香りのない精製がおすすめです。)
作り方
- シアバターに少し植物オイルを混ぜて、蓋から落ちない程度の硬さに調節する。
- (混ぜやすい硬さで垂れて落ちない硬さの方が香りが移りやすいため)
- 綺麗な大きめのビンに花を入れる。(花に直接バームがつかない程度に花を入れればOKです。)
- 蓋の部分にバームをつけて、できるだけ表面積を増やすために凸凹させる。
- 大体2日に一度は、花を入れ替える。(カビたらお終いなので要注意!)
- 時々バームを混ぜる。
- 花の香りが充分移ったら、フラワーバームの出来上がり!
意外な盲点
ガーデニアは、次々に花を咲かせていくので、新しい花への入れ替えが容易でしたが、金木犀はどの木も一斉に花を咲かせるので、2〜3日のうちに花を集めて冷蔵庫に保管して入れ替えるという方法を試してみました。
しかし、ほんのりとした香りで濃厚な金木犀らしい香りにはなりませんでした。
花を入れ替える回数が少なかったからだと思います。
幸い金木犀は、花が終わった後も数回花をつけることが多いので、その時にまた香りを取れば濃厚なものに仕上がるのではと思っています。
アロマテラピーの豆知識《精油の抽出法》
アロマテラピーを勉強すると必ず登場するのが、精油の抽出方法です。
アロマテラピーで使う精油の多くは、水蒸気蒸留法です。
この方法は、薬剤を使わないので溶剤の残留がないというメリットがあります。
デメリットとしては、水蒸気による加熱で鼻などの繊細な素材のものは、多少香りが変わってくることです。
例えば、ローズは、水蒸気蒸留法でとったローズ・オットーよりも主に香水に使われている溶剤で香りを取り出したローズ・アブソリュートの方が生花の香りに近い香りとなっています。
しかし、エーテルなどの溶剤の影響が懸念されるため、肌につけて利用するアロマテラピーでは溶剤抽出の物は用いません。
水蒸気蒸留では、取り出せないジャスミンやチュベローズはとても素晴らしい香りと効果があるにも関わらず、積極的に使えないのは大変残念なことです。
そこで、近年増えてきた新しい抽出法がCO2による抽出方法(超臨界抽出法)です。
二酸化炭素の性質を利用して精油を摂る方法で、溶剤が残ることはないのです。
難点だったコストも、一時期よりも下がってきたようですので、今後ますます注目の抽出方法
となっていくことでしょう。
とはいえ、前述のアンフルラージュは圧倒的に素晴らしいので、ぜひ金木犀の花が手に入る方は、トライしてみてはいかがでしょうか?
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