同じ仲間の精油を嗅ぎ比べる【チームムエット】森林編
目次
精油を嗅ぎまくるマニアックな会
アロマテラピーや香水に使うエッセンシャルオイル(精油)ですが、
例えば同じ森林系の精油といっても何種類もあります。
セラピストでも、そのうち使うのは数種類程度で、嗅いだことがない香りというのもたくさんたくさんあるのです。
興味があってもなかなか全て取り寄せるなんて金額的にも無理ですし、使い切る自信もありません。
そんな中、以前からお世話になっているAOF(エアオブフレグランス)さんから、『ひたすら精油を嗅ぎまくる企画』というのをいただきました!
AOFさんは、膨大な種類の精油を扱っていらっしゃって、中には滅多に取り扱いがない珍しい香りもあって譲っていただいています。
オーナーの山口さんによると、仕入れ先には困難な国もあってとてもご苦労がある様です。
前回のフローラル編に続いて今回は森林編でした。
お馴染みのヒノキ系の香りから、湿布薬のような薬系の香りのものなど、フローラルからより一層マニアック感満載の会となりました 笑。
ムエットという細い紙の先に精油をつけたものをまとめて送って頂いて、参加者全員zoomミーティングで感想や印象を語り合います。
その際まだなんの香りかはわかっていないので、純粋に“その香り”の印象を感じることができます。
前回フローラル会にはお馴染みのラベンダー系がありませんでしたが、今回は樹木系代表のお酒のジンに付ける香りのジュニパーが無いというこれまたマニアックな選定でした。
珍しいものをたくさん入れてあげようという山口さんの優しさですね。
森林系というと日本でも古来からお香として馴染み深いサンダルウッド(白檀)や松脂のような樹脂から取るものや、木片(主に針葉樹)から取るもの、いずれも水蒸気蒸留法がほとんどです。
やはり特別なサンダルウッド
その中でも、やはりサンダルウッドはあまりにも特別な香りです。
サンダルウッドは最も品質が良いインドのマイソール産の老山白檀と呼ばれるものが減少してしまい、インドの他地域やオーストラリアやフィジー、ニュージーランドさんのものが増えています。学名も異なる種類もいくつかあって、香りもかなり異なります。
マイソール産のものは、圧倒的に甘〜い香りと奥深く長く残るまとわりつくような深い香りがします。
他の産地のもの、例えばニューカレドニアの物は確かにサンダルウッドかな?という香りですが、甘さはあまりなく薄い香りでした。
近年香水業界で、サンダルウッドのジェネリックとして使われているアミリスという精油があるそうで、こちらはミカン科で全く別の植物です。
しかしこちらは、ナッティーで沁みてくるような香りで、マイソールのような甘さはありませんが、良い香りです。
アロマテラピーではあまり登場しないので効能はわかりませんが、香料としては優秀なのだそうです。
貴重なマイソール産を守って大切に利用していきたいですね。
珍品の沈香(アガーウッド)
沈香というとお香、それもとても高級な甘く芳しい香りを思い浮かべるかと思いますが、精油になると全く違う香りになります。
ショックというか、え???という感じです。
鼻の奥に刺さるような刺激的で消毒薬のような香りで、お香感はありません。
勿体無い!なんて思ってしまいました。
どのような用途で作られているのか謎です。
沈香は木を育てればできる物ではなく、たまたま病気や害虫に侵されて、防御のために心部に樹脂を分泌して蓄積することがあります。
その樹脂部分を乾燥させて取り出す奇跡の香料なのです。
もちろんとても高価です。
お香にすればとても良い香りなのにと思わずにはいられません。
オリンピック選手も使った天然の消炎剤
森林系には、サリチル酸を多く含むものが多くあります。
バーチ系(白樺)の仲間やツツジ科のウインターグリーンです。
ウインターグリーンの成分は、ほとんどがサリチル酸メチルです。
体内でアスピリンに変化する成分で湿布の匂いです。
リンパの流れを良くして、筋肉の痛みや炎症を抑えてくれるとしてアスリートにも使用されています。
ただ、かなり独特で強烈な匂いなので、使いやすい精油ではありませんのでご注意ください。
地味でも奥深い森林系
森林系といっても爽やかでリフレッシュできるような香りから、薬用のようなもの、甘く深い香りなど様々です。
華やかな感じではありませんが、下から支えてくれるような頼もしい感じの精油が多いように思います。
皆様もぜひ気になった香りを嗅いだり使ったりしてみてくださいね。
次回はエディブルシリーズです。
代表格はバニラでしょうか?
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